航空機エンジニア KOH’s Room

航空機エンジニアが飛行機のことや思ったことなどを書いていくブログです。

飛行機の部材にはシワが寄っている

突然ですが昔、下敷きを両側からググッと押してベコっと変形させて、力を抜いて戻すみたいな遊び、何回もやりませんでしたか??

あの現象は座屈と言います。
細い棒や薄い板などに特有の現象です。


飛行機は軽く作らなければいけないため、極力薄い板などを用いて作られています。
そのため場所や部材によっては、飛行中に座屈を起こしているものもあります。

窓から見える主翼の表面を座屈させてしまうと空力特性、つまり燃費に悪影響なため通常はやりませんが、胴体の外板などは座屈させていることもあります。
(シワみたいに見えたりします。)

下敷きもやり過ぎると割れてしまいますが、適正な範囲内であればちゃんと元通りになりますよね。
飛行機もちゃんと元通りになる範囲までしか座屈させていませんので、安心してください。
座屈させないようにすると部材が分厚くなって重くなってしまうため、部材を薄く保ちつつ適切な範囲で座屈を許容する方が効率的な設計になるのです。

それでは今日はこの辺で。